建築事例
地形を活かした家
建物が密集した京都市の中心部においては、太陽の光を建物内にどうやって導くが必ずと言っていいほど課題になります。また、プライバシーの確保も大切なテーマとなります。
このお宅は敷地の西側が接道し開けていますが、道路を挟んで学校があるため、そちらからの視線を遮る必要がありました。また、南側には3階建ての住宅があるため日照を得ることができず、さらに北と東も住宅が隣接する状況です。
以前に建っていた建物では南側からの日射を3階建てに遮られるため、室内は昼間でも照明が必要な状態でしたが、今回も2階建ての計画のため、やはり南からの日射を取得することはできません。そこで、思い切って南側には窓を設けず、北側隣家の頭越しにハイサイドライトで光を採り込む計画としました。北側からの光は1日を通し安定した柔らかい光なので、落ち着いたリビングには最適の光といえます。
このような立地環境は、京都市内において決して特殊ではありません。そのような条件でも快適に暮らす方法を設計的に解決することこそが、注文住宅の真髄であると私たちは考えています。
外観はスクエアな形で現代的なデザインとなっています。
正面に植えられたシンボルツリーのカエデの木が建物を引き立てています。
軒天は杉材。万が一火事がおきても燃え広がらないように杉材は30mmの厚みとなっています。
玄関扉は断熱性能の高い木製扉。時とともに深みとぬくもりを増す天然素材は耐候・耐久性に優れ、長くお使いいただくほどにその良さを実感し、愛着を持っていただけることでしょう。
体にやさしい、ユニバーサルデザインを考慮して、玄関は手すりとベンチを併設。
一階タタミルーム
壁は紙クロスの上、漆喰塗装仕上げ。漆喰の主成分である消石灰も入っており、漆喰の持つ調湿機能を維持しつつ、塗料のように刷毛とローラーで塗ることができます。
L字型敷地の角を利用してオリジナルの洗面台を設置。鏡の両端に窓を配置したことで明るい洗面台と廊下になりました。
L字型敷地の角には大きな庭に面した自然豊かな子ども部屋。お子さんの成長が楽しみです。
二階LDKは大きな一室空間。日中は照明器具が必要ないほど、ひかりが入ってきます。
二階LDKの一番高い壁の部分に開口部を計画することで、効果的な換気が可能となります。
LDKのタタミコーナーはソファに座ってくつろいだり、お子様とお昼寝をしたり、洗濯物を畳んだり、用途を選ばず多目的な使い方ができます。
間接照明からのひかりは、空間に通常の照明とは異なった豊かな表情をつくりだし、肉体的・精神的な癒しを味わうことができます。
前庭の夜景