文:広報部
3つの見学会がいちばん大切な機会
私たちの仕事は、公共施設や商業施設、そして住宅を建築することです。公共工事では入札によって案件を受注しますが、店舗や住宅の場合は個人のお施主様から発注をいただかなくては建築できません。「中藏で家を建てよう」と考えていただく方が必要です。今回は、そのような方をひとりでも多く増やすため、中藏の家づくりを知っていただく活動についてご紹介します。
常設のモデルハウスを持たない中藏は、お施主様のご協力のもと、建築途中の骨組みの段階をご覧いただく「構造見学会」、完成してお施主様がご入居直前のお宅をご覧いただく「完成見学会」、そしてご入居後、実際に生活されているお宅を訪問する「OB様宅見学会」を開催しており、この3つを私たちの家づくりを知っていただける大切な機会と位置づけています。
高断熱高気密住宅のOB様宅見学会
その中でもOB様宅見学会は、実際に中藏の家にお住まいのお施主様から、住んでみての感想や、家づくりの体験談を直接聞くことができるため、家づくりをご検討中のお客様からも「たいへん分かりやすい」とご好評をいただいています。
今回の見学会も、そのOB様宅見学会。訪問したのは京都市中京区のT様邸。お引渡しから1年半ほどが経過したお宅です。お施主様は寒さが苦手、また、光熱費を抑えられる家をご希望ということで私たちが提案したのが高断熱高気密住宅。その効果をみなさまに体感していただこうと、寒さがいちばん厳しくなる2月上旬にあえて開催しました。
見学いただくにあたって、まずは事前に当社事務所に集合いただき、30分ほどの予習を行いました。「住宅の断熱や気密とは何か?」「快適さや健康への関係は?」「光熱費にどのくらい影響するのか?」などについて設計担当から解説を行った後、徒歩で10分ほどのT様邸に向けて出発です。
24時間エアコンONでいつも適温に
陽射しはあるものの、ひんやりとした外の空気で指先がかじかみかけた頃、T様邸に到着。気密性能に優れたスウェーデン製のドアを空けた途端に、暖かい空気が溢れてきます。実はこの家で稼働しているエアコンは1台だけ。1階で作られた暖気が階段室や吹き抜けを通って上階に伝わる仕組みになっているため、1階の玄関に設置した14畳用エアコンで、2.5階部分までの全館を温めることが出来ます。また、エアコンは24時間ON状態になっており、自動で風量を調整するため、ずっと快適な室温が保たれます。
それをお聞きになられた参加者のみなさんが気になるのはやはり電気代。この質問に対してT様からは、「暖かさを優先していることもあり、電気代の節約はそれほど考えずにエアコンを使っています。でも、電気代は月平均で1万円ほどです。さらに、太陽光発電の売電価格分を差し引くと、電気代は4千円弱になります」とご説明いただき、これまでの光熱費の記録を見せていただけました。また、快適さについても「戸建てだった実家の印象から『一軒家は寒い』という固定概念がありました。しかし、断熱と気密性能を高めることで、その心配が要らないということを身を持って知りました」。
そのようなご自身の体験から、お知り合いが家づくりをするときには「優先順位の一番は絶対に高断熱高気密!」とアドバイスをされているそうです。
注文住宅ならではのデザインやプラン
T様邸は高断熱高気密性能だけが特徴ではありません。T様邸は中京区の京都らしいたたずまいが残るエリアに位置することもあり、デザインやプランにも気を配られたとのこと。「周辺の景観にマッチするように外観は和を感じるものに。それに対して、内部は使い勝手のよいモダンなレイアウトやデザインにしました。格子窓が印象的な2階の東面は、実はサンルームになっていたりします」とT様。外からは見えない半屋外のサンルームは、ご主人お気に入りのスペースだそうです。奥様のお気に入りは、ご自身でデザインされたこだわりのキッチンとトイレルーム。描いたスケッチ通りの仕上がりになったととても喜んでいただいています。
また、角地に位置することもあり、通りを歩く人の視線や車の騒音を避けるため、1階は寝室にして家族の滞留時間が最も長いLDKを2階にしました。さらに、窓も目線より少し高い位置に設けることで、周囲の環境を気にせずにくつろぐことができます。「規格化された住宅メーカーでは、このようなこだわりに応えてもらうのは難しく、また、できたとしても規格外となるため大幅な価格アップになってしまいます。このような、細かいこだわりが実現できるのが注文住宅の良さですね」とT様。
さまざまなご感想をいただきました
1時間弱の滞在でT様邸をご見学いただき、またT様や中藏のスタッフからこのお宅の特徴について説明を受けた参加者のみなさまは、T様が語る快適な温熱環境での暮らし心地に、一同感心するばかり。まだ築年数の浅い家にお住まいながら、建て替えを検討されているとおっしゃるS様は「いま住んでいる家は阪神淡路大震災の後に建てたものなので、耐震性能にはこだわったのですが、寒くて寒くて。おまけに生活動線が考えられていないため、使いづらく、毎日がしんどいんです」と、どなたもご自宅とT様邸との違いを実感されているようでした。
部屋を区切らず家全体が緩やかにつながるプランや、生活動線に基づいて配置された水まわり設備や収納などにも興味をお持ちいただいたようで、他の参加者様からも「住宅総合展示場で見る家とはぜんぜん違う家。展示場で見た家は京都の街で建てるには大きすぎて、ピンとこなかった。住宅のつくり方としてこういうのもあるんだ」というご感想をいただきました。
住宅の暮らし心地や質感は、ホームページやパンフレットの写真で見るだけでは、なかなか分からないものです。特に、「暖かさ」「涼しさ」といった温熱環境については、実際に現地におもむかなければ体感することができません。いい家づくりのコツは、実際の家をできるだけたくさん見学することだと思います。中藏では、定期的に見学会を開催していますので、ホームページの「お知らせ」を定期的にチェックしてみてください。また、「資料請求」をしていただくと見学会のご案内をダイレクトメールでお送りいたします。ご興味のある方は是非ご登録してみてください。