寒さがつらいのは身体的なストレスだから
寒くない家づくりをするためには、寒いと感じる仕組みを知ることが大切です。人間が「寒い」と感じる要素は6つあります。「空気の温度」、「空気の湿度」、「気流(風)」、「室内の表面温度」の4つの環境的要素と、「活動状態(代謝量)」と「服装(着衣量)」の2つの人的な要素です。部屋が寒くても厚着=着衣量を増やして、運動をする=代謝量を増やすことで、寒さを感じることは無くなりますが、現実的ではありません。やはり環境的要素を整えることが大切といえます。
4つの環境的要素について簡単にまとめると以下のようになります。
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□空気の温度:低いと寒いと感じる。冬の適温は室温20〜22℃
□空気の湿度:湿度が低いと寒いと感じる。冬の快適な湿度は40〜70%
□気流:風があると熱を奪われて寒く感じる。
□室内の表面温度:同じ室温でも表面温度が低いと寒く感じる。快適域は温度差2℃以内
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一般的には、空気の温度を高くさえすれば暖かく快適になると思われています。高機能なエアコンのTVCMなどをみていると、そのように思われても仕方がないかもしれません。しかし、快適にする一番のポイントは「室内の表面温度を室温とほぼ同じする」ことにあるのを知っていただきたいのが、今回のコラムの主旨です。熱は温度の高いところから低いところへ「電磁波」の形で伝わります。その間に空気があろうがなかろうが伝わります。太陽の光を受けて暖かく感じるのもこれによるものです。つまり、床・壁・天井が冷たいと、体の熱は床・壁・天井にどんどん奪われしまうのです。
具体的に示してみましょう。室温22℃の部屋で床・壁・天井の表面温度が20℃の部屋があったとします。この場合の体感温度は(22℃+20℃)÷2=21℃になります。それに対して、同じ室温22℃の部屋でも床・壁・天井の表面温度が16℃の部屋の場合、体感温度は(22℃+10℃)÷2=16℃にしかなりません。室温は同じはずなのに、寒く感じるのです。また、室温は22℃なのに、足元(床)が10℃であることは、とても不快に感じます。人は本来、頭のあたりの室温が21〜22℃ほどで、足元が26℃ほどのとき、いわゆる「頭寒足温」の状態を最も快適に感じるからです。
断熱材で表面温度の下がらない家を
それでは、表面温度が下がらない家づくりはどうすれば良いのでしょうか?これは、多くの方がご想像の通り「断熱性能を高める」ことに尽きます。床・壁・天井に十分な断熱材を敷設し、最も熱が出入りしやすい窓を断熱サッシにすることで、外の寒さを室内まで伝えず、結果として床・壁・天井が室温とほぼ同温度の部屋となります。さらに、同様の施工を家全体に行うことで、廊下、あるいは浴室や脱衣室といった暖房器具の無い場所でも、リビングなどとほとんど温度差のない家づくりが行えます。
このような家づくりが普及したのは、実はつい最近のことです。「徒然草」で有名な吉田兼好は、その第五十五段において「家をつくるときは、夏が快適に過ごせることを基準にすべし。冬の寒さは火をおこしたり重ね着することでなんとかなるが、夏の暑さを考慮していない家は、耐え難いから」といった内容を記しています。鎌倉時代のことです。その後、京都の、あるいは日本の家づくりが、この兼好の言葉を忠実に守ってきたからなのかどうかはわかりませんが、つい最近まで、日本の住宅は「冬は火をおこしたり重ね着することでなんとかする」家づくりが普通だったのです。
そのような中、中藏はいち早く高気密高断熱工法に取り組み、室温と床・壁・天井の表面温度の少ない家を数多く建ててきました。そして、その家に暮らしていただいたお客様から多くある感想が「体が楽になった」というものです。それまでお住まいだった昭和期に建てられた断熱性能の低い家では、いくらストーブをガンガン焚いたとしても、床・壁・天井に体の熱を持っていかれるため、無意識のうちにずっとストレスにさらされていたからです。これが冬の間じゅうずっと続くわけですから、体はたまったものではありません。その点、高気密工断熱の住宅は、このストレスから住人を解放するので、「楽になった」というお言葉はまさにそのとおりだと考えます。
見学会に参加して高気密工断熱をぜひ体感してください
このような感覚は、写真でも伝わるプランや意匠などと異なり、ホームページの文章でお伝えするのはなかなか難しいものです。そのため中藏では、「完成見学会」や「OB様宅見学会」を開催し、実際に高断熱高気密住宅を体感していただけるイベントを開催しております。イベント情報は当ホームページでお知らせしておりますので、定期的にチェックいただければ幸いです。また、当社に資料請求をいただくと、見学会の開催時にはご案内を郵送してお知らせしますので、開催情報を見落とすご心配も無用です。ぜひご登録ください。