スタッフコラム

京都で家を建てる(14)京都の夏の暑さに備えよう

過度にエアコンに頼らない。キーワードは断熱性能

よく言われる「京都は暑い」は地形の影響も大きい

「京都は夏あつくて冬さむい」はあたりまえのように言われます。しかし、京都と大阪、神戸の2010年から2020年まで11年間の8月の平均気温をみてみると、京都が29.1℃なのに対して、大阪は29.4℃、神戸は京都と同じ29.1℃です。大きな差はありません。どちらかと言うと「体感的な暑さの違い」と言えるかもしれません。

その要因として、地形の違いが考えられます。神戸や大阪の沿岸部は、夏でも夕暮れ時になると海から吹く風によって涼しさを感じることがあります。海風によって熱い空気が流されるのです。しかし、四方を山に囲まれたいわゆる盆地の底に位置する京都では海風は期待できず、熱い空気がいつまでも盆地にとどまり、体にまとわりつくことになります。これが「暑苦しさの元凶」といえます。京都と同じく、山形市や福島市、甲府市なども「蒸し暑い盆地」として有名ですよね。

なかでも、京都市は150万人が暮らす大都市です。道路のアスファルト舗装やコンクリートの建造物は日射を受けると表面温度が50〜60℃に達し、大気を加熱します。また、建物の密集は熱の拡散や夜間の放射冷却を妨げることがあります。さらに、自動車のエンジンやエアコンの室外機、工場などの排熱も大気を暖めます。いわゆる「ヒートアイランド現象」です。そして、「ヒートアイランド現象の熱が排出されず盆地の底にたまる」これが京都の暑さのイメージと言えます。

なお、「京都は湿気が多いから蒸し暑い」と言われますが、これは間違いです。過去10年間の8月の平均湿度を比べると、京都が64.8なのに対して、大阪が65.8、神戸は70.2です。海から風が吹き込む大阪や神戸のほうが湿度は高いのです。

暑い時期に快適に暮らすにはエアコンが一番、でも…

さて、京都に暮らす以上、夏の気候はどうすることもできません。私たちにできることは、暑さの中でどうやって快適に暮らすかということになります。

「暑い時期に快適に暮らす」と聞いて、誰もが思いつくのがエアコンでしょう。暑い屋外から冷房の効いた室内に入ったときの涼しさは気持ち良いものです。しかし、過度にエアコンに頼りすぎると体温調整を担っているホルモンや自律神経のバランスが崩れます。人は「暑い」と感じると自然と汗をかき、その蒸発の気化熱により体温をコントロールする機能(恒常機能)を備えているのですが、それが衰えていくのです。

そして、ホルモンや自律神経のバランスの崩れや恒常機能の衰えは、頭痛や不眠、下痢、便秘、うつなど、体の様々な変調につながる可能性もあります。快適なはずのエアコンが体調不良の引き金になる場合があるのです。

過度にエアコンに頼らない。キーワードは断熱性能

中藏がおすすめしているのは、過度にエアコンに頼らずに夏すずしく暮らせる工夫です。そのポイントは断熱性能にあります。断熱と聞くと、冬の暖かさに役立つことを考えがちですが、夏の涼しさにも絶大な効果があります。
過度にエアコンに頼らない。キーワードは断熱性能
土壁を塗り重ねて作られた土蔵へ夏に入った時を想像してみてください。エアコンが無くてもヒンヤリと涼しいですよね。これは分厚い土壁が外の暑さを蔵の内側まで伝えないためです。要は、これと同じことを住宅でもやることで涼しい家づくりをしようというのが、高断熱工法です。もちろん、コストや工期的に土壁を塗り重ねるのは難しいので、代わりに高性能断熱材で家全体をくるむことになります。

高断熱工法で建てられた家では、かなり暑い時期でも、自然通風だけで快適に過ごすことができます。さすがにエアコン不要とまではいきませんが、稼働させなければならない期間は一年の中でもわずかです。また、部屋を一度冷やすとその冷気が逃げにくいため、稼働時間も短くてすみます。これは結果的に省エネにもつながります。

体感すれば絶対にわかる断熱性能

夏期における高断熱工法の効果は、言葉ではなかなか伝わりにくいものです。できれば実際に体感していただくのが、一番わかりやすいのではないでしょうか。そのため、中藏では高断熱工法で建てた家の見学会を開催することにより、ひとりでも多くの方にその快適さを知っていただきたいと考えています。

中藏のホームページでは、見学会情報を定期的に更新していますので、ぜひチェックしてみてください。また、当社に資料請求をいただくと、見学会の開催時にはご案内を郵送してお知らせしますので、開催情報を見落とすご心配も無用です。ぜひご登録ください。