建築事例
中庭のある家
建ぺい率が50%、容積率が60%(地域としては建ぺい率が40%、容積率が60%だが、角地緩和により建蔽率が10%アップ)の第一種低層住居専用地域での新築事例です。敷地の2面が接道、とくに西側は幹線道路となるため、道路からの視線を遮る工夫に加えて防音の対策も必要でした。
防音対策としては、幹線道路側にはコンクリート製のしっかりとした壁を設けて音の侵入を防ぎました。防音性能と壁の重さには関係性があります。質量が大きければ大きいほど音をはね返す力は強くなり、この法則を「質量則」といいます。
視線を遮る工夫としては、外からの視線は内に入れず、それでいて内側の視線は閉塞感を感じないようにしました。具体的には、建物を「コの字型」にして中央に中庭を配し、その周囲を大きなガラスサッシが囲うことで、視線が玄関ホール→中庭→リビング(あるいはその逆)と一直線に抜けるプランです。また、南側の2階屋根を低くすることで、南方向からの太陽光を中庭やリビングへ導く工夫もしています。
サッシをトリプルLow-eガラスの入った樹脂サッシにするなどで、UA値=0.33、C値=0.5の高断熱・高気密仕様に。一年を通して快適な温熱環境も実現しました。
角地を活かした建物で、交通量の多い道路側にはコンクリートの壁を立ち上げ、プライバシーを確保しています。
エントランス部分の庇は、ご家族を暖かく迎えいれるように、手が触れそうな位置までの深い庇となっています。
既製品のサッシの外側に木製格子つけると、建物の雰囲気も変わります。
玄関横にはベンチ。ちょっとしたスペースが生活を豊かにします。路地空間は傘をささずに玄関まで歩けるよう、庇がかかっています。
玄関扉は断熱性能に優れた木製開戸、本物の木のぬくもりがあります。玄関入ったところにもベンチ、手すりもついていて、安心して靴が履けます。
見通しがきき、開放感があるストリップ階段は、空間にインパクトを与えてくれます。
リビングダイニングはデザインだけでなく、夏は日射を遮り、冬には日射を取り入れるようなシミュレーションの元で開口部や高さの設計をしています。
中庭にひらけた開放感のある樹脂サッシ。結露の心配もなく内外の空間を繋げてくれます。
椅子にもこだわりが。設計段階からご相談いただければ、予算に応じてご提案いたします。
中庭を囲んだ間取りにすることで、室内にたっぷり光が届き、視線の広がりを感じます。中庭の中央には、すべての部屋から見えるシンボルツリーを植え、建物と共に成長する楽しみがあります。
廊下の突き当りには丸くかたどられた壁が見えます。ここから入るひかりは廊下を美しく照らしてくれます。
清潔感のある白で統一したオリジナルの洗面台。
トイレは床は大判のタイル仕上げ。木との相性もよく、和の雰囲気を演出します。
2階廊下の階段上部はトップライト。階段と廊下を優しい自然光で照らします。廊下に腰壁を作らず、鉄と木の手すりにすることで、廊下の狭さを解消しています。
寝室はガラス入りのサッシではなく、リビングの吹き抜け向けて開いている引戸になります。
2階のデッキからも中庭の木が見えるような設計になっています。成長が待ち遠しいですね。
中庭から見上げる
明かりが灯ると更に格子の美しさが引き立ちます。