ひと・まち・わざをつなぐ家づくり
私たち中藏は、「ひと、まち、わざをつなぐ」という言葉を掲げ、京都の町並みの景観を守り、また、京都の町に育まれてきた文化や地域社会のあり方、生活の知恵などを次の世代へと引き継いでいくことを自らの理念としています。そのため、既存の京町家と共存できる、京町家の知恵を継承した新築等の住宅である「新町家」の普及にも賛同をしています。
京都市「新町家」事業について詳しい紹介は、左のロゴをクリックしてください。
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京町家の伝統を引き継ぐこと、変えていくこと
京都の町並みの景観や生活文化を守っていくためには、古くなった京町家をきちんと手入れして、また必要に応じて改修や修繕を行い、大切に使い続けていくことが必要です。京町家は、維持や修繕が容易にできるように、その歴史の中で意匠や寸法体系が徐々に規格化されてきた経緯があります。町家の町並みが規則正しく整然と建ち並ぶように見えるのもそのためですが、これにより材料の使い回しや再利用が可能になり、長きにわたり変わらぬ町並みを形成してきました。
住宅としての基本性能はハイレベルに
現代の住宅に求められる性能は「構造の安定と耐久性」「快適な居住環境と省エネ」、そして「維持管理の容易さ」です。これらにおいて一定の基準をクリアしなければ、たとえ厳密なフォーマットに従って建てられた京町家といえども、住宅としては十分でないと考えます。
構造の安定については、許容応力度計算により地震や台風がきても安全と言える「耐震等級3」が証明されていること、また、耐久性と維持管理の容易さについては、経年変化や風雨による劣化対策がされており、また定期的な点検とメンテナンス体制が整っていることが条件と考えます。
快適な居住環境については、高気密高断熱工法により外気温が室内の温度に影響を与えないようになっていること、そして省エネについては、パッシブデザインにより自然エネルギーを室内の温熱環境づくりに効果的に利用できるなど、エネルギー使用量を抑える工夫がされており、さらに創エネルギー装置によりゼロ・エネルギー住宅(ZEH)化も可能なことです。
そして、「快適」については、性能だけではありません。日々の暮らしにおける使いやすさについて十分に配慮されており、現代の家族のライフスタイルにも適していること。そして、時代とともに変化する家族構成や暮らし方に対応できる更新性も大切な要素となります。
わたしたちの新町家は「姿はんなり×暮らしイマドキ」
このような現代の住宅に求められる性能を内包しながら、外観は細部に至るまで京町家の意匠を継承した住宅が、中藏の考える「新町家」です。新築でありながら町並みに美しく溶け込むたたずまい、しかし、一歩中へ足を踏み入れると、「暗い、寒い、ガマン」といった従来の町家の印象をくつがえす、あたたかな光の満ちあふれる空間。私たちはそのような「新町家」のあり方を「姿はんなり×暮らしイマドキ」と例え、多くのお客様に受け入れられることで京都市内に広く普及していくことを願っています。