スタッフコラム

そうだ、中藏で家建てよう(10)防水工事

防水工事。

 

外壁、屋根、バルコニーなど、外部箇所では建物への雨水の侵入を防ぐことが重要です。また、京都のような隣の建物同士の距離が少なく、あまり軒の出がとれない場合は、入念な防水処理を施すことが必要です。

外壁の防水工事では、サイディングなどの外壁材の内側に「透湿防水シート」というシートを施工します。雨水などの水は室内に入れず、室内の湿気は屋外に逃がす機能をもつシートで、外壁全面に施工します。そして、透湿防水シートと外壁材との間には通気層を設けます。そうすることで、外壁内部に結露を生じにくい仕上げとなります。順番としては、躯体→透湿防水シート→通気層→外壁材(サイディング)となります。

 

 

 

 

【画像引用】旭・デュポン フラッシュスパン プロダクツ株式会社/タイベック® ハウスラップについて

(https://www.tyvek.co.jp/construction/product/housewrap/)

 

 

透湿防水シートは、下から上の順番で貼っていき、シート同士の重ね幅には規定があり、シートを止める防水テープにも貼る順番があります。また、バルコニーのコーナー部分やサッシと外壁などの取り合い部は特に雨水が侵入しやすい箇所になるため、入念に施工します。

 

 

先張り防水シートの貼り方の例(窓台と柱の納まり)

 

 

 

バルコニー防水工事。

 

バルコニーの床にはFRP防水工事を行います。FRPとはガラス繊維などの強化材で補強されたプラスチックで、強度・耐水性・成型性が優れています。船舶、水槽、バスタブ、波板、自動車、屋根材等に広く使用されています。

 

 

 

バルコニーには、雨水を排水するために床に勾配を設け、その先に排水溝を設けます。そのため、防水工事を行う前に、大工さんにバルコニーの下地を組んでもらいます。そこに下地処理剤のプライマーを塗布します。プライマーが硬化したら、下地用防水用ポリエステル樹脂を塗り、その上に防水用ガラスマットを敷きます。防水用ポリエステル樹脂塗りを塗りながら、樹脂内部に残留した気泡を脱泡ローラーを用いて除去します。その上に、もう一度防水用ポリエステル樹脂を塗り、FRP 防水層が硬化後、ポリシャー、ディスクサンダー等で表面を調整します。最後に 仕上げ用樹脂をむらなく塗布します。

防水工事が終わると、瑕疵保険の検査があります。各部の取り合いや規定通り工事が行われているかをチェックします。