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建物を建てるのは結局は人。働きやすく向上心が生まれる現場づくりをしたい。

文:株式会社 中藏 工務部 藤原 拓也

建築現場の経験10年、なのに木造では素人同然だった

建築の仕事の魅力は形となってずっと残ることに尽きます。子どもにも自分の仕事を自慢できますし(笑)。また、建築に携わったショップやごはん屋さんが繁盛しているのを目にすると、さらにうれしく感じます。この仕事をやっていて良かったなと感じる瞬間です。
でも、高校を受験する時は、工業高校の建築科か商業高校かを迷った末、商業高校に進んだんです。その時はお店の経営や情報処理に興味を感じていたからです。その後、徐々に建築関係への興味が再び増し、京都の建築系の専門学校へと進みました。卒業後は京都の中堅ゼネコンでマンションや介護施設等の建築など大型物件を中心に10年の経験を積んだ後、中藏に移りました。
ただ、中藏で最初に担当したのは、木造の改修工事。それまで鉄筋コンクリートや鉄骨造の建築にしか携わってこなかったため、木造に関しては素人同然。使っている用語も全然わからずゼロからの勉強でした。

「現場監督」に大切なのは向上心とコミュニケーション

そのような経験から、仕事では「興味を持ち、学ぶ」ことを常に意識しています。時間があれば、先輩や同僚の現場を積極的にのぞくようにもしています。現場監督といってもひとりひとり異なる「流儀」があるので、「あっ、そういうやり方もあるんだ」と気づくこともしばしば。勉強になります。
自分で言うのもなんですが、向上心も現場監督の資質として重要ではないかと考えています。何にでも興味を持ち、知ろう、学ぼうと思ったかどうかが、自分の経験値に大きな影響があったと実感しているからです。ただ漫然と仕事をこなしていてはなかなか成長できないのではないでしょうか。
そして、向上心とともに大切なのがコミュニケーションだと思っています。現場スタッフ間のコミュニケーションは当然ですが、施主様や社外の設計事務所とのコミュニケーションも積極的にとるように意識しています。それにより、ミスやトラブルを初期段階で解決できたり、重大化を防ぐことができていると感じているからです。ミスやトラブルが全く無い建築現場というものはありえませんから、ちょっとの心がけが大きな違いにつながります。
また、現場監督がコミュニケーション力を高めることは、会社の営業的な視点からも効果があると思います。実際、ただ淡々とこなした現場と、施主様とコミュニケーションが取れた現場とでは、その後のご相談や工事のご依頼をいただく割合が異なります。
また、最近女性の現場監督が増えてきたことは、施主様にとってもうれしいのではないでしょうか。特にプランニングの相談や実際の現場での対応は、女性監督の方が奥様も相談しやすそうです。

時には強い気持ちも大事

現場監督の大きな役割のひとつに「現場をまとめること」があります。現場監督にもさまざまなキャラクターがいて、中には勢いで仕事を進めるタイプの方もいますが、私はどちらかというと場の空気を大切にするタイプ。頭の中で段取りを組み立ててから慎重に現場を動かしていくスタイルです。ただし、大きな現場になると100名を超えるスタッフや協力会社の職人さんを束ねることになるため、慎重なだけでなく、現場のリーダーとしての自覚を持っておくことも大切です。そのときに必要となってくるのは、やはり気合やガッツといった、強い気持ちかもしれません。
でも気合だけですべてを押し切るのはさすがに難しいこと。ピリピリとした空気感にならないようには、気をつけています。「働く環境」って、やはり大切ですから。

工務部 藤原

職場もより良くしていきたい

「働く環境の改善」は現場だけでなく、社内も同様です。少し前から、職場の環境をより良くしようと、社内プロジェクトチームを立ち上げました。元々、ひとりひとりの売上数字が開示されるなどオープンな環境であり、社員の声が上層部まで伝わるフラットな組織が特徴な中藏ですが、場合によっては、その「自由さ」が組織としてのまとまりを欠く要因になる可能性もあります。そのような中藏の良い点/悪い点について、社員全員に忌憚のないアンケートを行い、より働きやすい環境への改善に努めています。
働きやすい環境は働きがいにつながり、それが向上心を生むことになり、自分の現場監督としてのスキルアップにつながる、そういうサイクルづくりを目指したいですね。

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