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たくさんの会話でより良い仕事を。時に叱られながらも成長していきたい。

中藏・樋上さん

文:株式会社 中藏 工務部 樋上 達哉

お客様との会話から提案に結びつける

いつも心がけているのは「お客様とできるだけたくさんの会話をする」ということです。実際、お客様とは案件についてはもちろん、建築とは直接関係のないプライベートな話をすることもよくあります。単に話し好きという私の性格もあるのですが、実はそのような会話の中に、より使いやすく、あるいはより暮らしやすくするための提案の種が潜んでいたりするからです。また、建築仕様や設計の考え方を、お客様が関心のあることや趣味に例えることで、より理解していただけることもあります。

これまでの業務経験のなかでも数多く関わってきた店舗づくりにおいては、特にお客様との会話が大切だと感じています。お客様はほぼ全員がはじめてのお店づくりです。長く修行を積まれやっと持たれる自分の城ですから、こだわりが半端ではありません。しかし、全てを実現しようとすると、相応のコストがかかってきます。ご予算の範囲内でこだわりと可能なこととの折り合いをつけるのがたいへんなことも多々あります。

ただ、そのような中でも可能な限りご要望を叶えたいと考えるのが、飲食店の調理台やカウンターの高さです。毎日、長時間立って作業するスペースですから、身体に負担がなく使いやすいようにと、実際の高さをシミュレーションしながら決めていきます。手元を照らすライトの明るさや角度にも気を使いますね。でも、完成したときに喜んでもらえると、そんな苦労も吹っ飛ぶ感じです。お客様と密に接したぶんだけうれしさも増幅されます。これが店舗づくりの醍醐味かもしれません。

小さな店舗でも大規模建築でも会話の大切さは同じ

入社当初はメンバーが今ほど多くなかったこともあり、教育施設の営繕や公共工事、住宅、町家の改修となんでもやりました。その後は店舗づくりなども加わり、いま携わっているのは酒造メーカーさんの木造社屋の建築です。その前は阪急京都線の洛西口駅高架下にできた大規模な商業施設を担当していました。この現場は緊張の連続でしたね。工事の中で高架の橋脚や橋桁に傷をつけてしまうと安全点検のために電車の運行を止めることになるため、絶対にミスはできないと。とにかく企業向けの建築や公共工事から、個人の住宅まで、さまざまな仕事ができるのが中藏の面白さです。

そのような大規模な商業施設でも「お客様とたくさんの会話をする」ということは同じです。小規模な木造建築では大工さんが中心にいて、その大工さんの進捗に合わせてさまざまな業者さんが絡んでいくという流れですが、商業施設では作業段階ごとに施工スタッフがすべて入れ替わります。そのため、現場は監督を中心に回ることになります。その監督がお客様や施工スタッフと常に会話や報告をしなければ、現場はうまく回りません。また、時として発生する小さなトラブルも正直に報告していくことで、自社や自分の信頼にもつながると考えています。

中藏・樋上さん

失敗も経験値ととらえ次にチャレンジ

お客様とも会話することで、顧客満足度も上げていけるのではないかと考えています。ただ、そう言いながら、なぜかうまくいった仕事のことを私はあまり覚えていないんです。逆に、ミスをしたりコミュニケーションがうまくとれなかったことで、お客様から厳しいことを言われたことほど覚えていたりします。損な性格ですね(笑)。でも、それが自分の経験値アップになればそれも良しかと。

そんな風に、時にお客様からお叱りを受けながらも、これからもさまざまな建築に携わっていきたいですね。特定の建築に特化するというよりも、これまでやったことのないクリニックや寺社仏閣などの建築にもどんどんチャレンジできればと思っています。

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