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設計士の村田さんが語る「子ども達の楽しい記憶として残る建物を」

中藏がまちづくりや建物づくりを進めていくにおいては、多くの社外の方に協力をいただいています。

今回は2020年4月に開設する「みぎわ保育園分園(ななほし)」について、設計を担当いただいた「moda architects 一級建築士事務所」代表の村田昌司さんにお話を伺いました。また、あわせて現場監督である当社の山本にも話を聞きました。

―みぎわ保育園分園(ななほし)はどのような施設ですか。

村田:2016年4月に開園した中京みぎわ園(本園)の分園で、主に2歳児の保育を行う施設です。

「ななほし」という名前はナナホシテントウムシに由来します。「テントウムシ」は幸せを運ぶ存在として世界で親しまれています。ここで育った子ども達がテントウムシのように上を目指して羽ばたけるように、また子ども達それぞれのキラキラ輝く星のような可能性がもっと明るく輝くようにという想いがこめられています。

―クライアントさんからのご要望はどのようなものでしたか。

村田さん:中藏では今案件のクライアントである美樹和会さんの物件を、これまでに3施設(中京みぎわ保育ルーム、中京みぎわ園、清水みぎわ保育園)担当させていただいており、中京みぎわ園分園は4施設目となります。

クライアントさんがいつも意識されていることは「周辺地域との関わり合い」です。ですから、この分園も地域に根ざし、皆様から愛される施設になるための工夫をしています。

例えば施設周辺には緑が少ないので、壁面緑化を取り入れて緑の空間を提供します。地域の人と交流するためのイベントを開催する際には本園のピロティを使用できます。

本園の廊下

―デザイン性、安全性、機能性で工夫されていることを教えてください。

村田さん:デザインは本園のものを気に入っていただいているので、それをベースにしています。例えば外観は本園と同様に、壁の一部に複数種類の木材を組み合わせた素材を使用し、通りから見える四角い窓はそれぞれ高さが違います。外観の特徴を出すことによって、保護者の方や地域の方から「あれはみぎわ園の建物ね。」とすぐにわかってもらえることを意識しています。窓については、内側からもお子様が外を見た時に、同じ景色を違う高さから楽しめるデザインです。内部はできるだけ木材を使用し、かたい雰囲気にならないようにしています。

みぎわ保育園建設風景

安全性は法律や規定を守ることが基本ですが、オリジナルなものとして引き戸があります。下半分を切り取ってゴムを貼り、子どもの指詰めを防ぐ工夫をしています。他には、クライアントさんからの要望で階段は全てカーペット敷きです。

機能性については特に、実際に施設で働く保育士さんができるだけストレスなく動けるように、担当の方に要望をまとめてもらい、設計に取り入れました。

―ここまでは村田さんから建物の設計について話を伺いました。次は建設現場の監督として山本さんが大切にされていることは何でしょうか。

山本:何よりもまず、現場の「安全」を第一に考えています。毎日のKY運動といった基本を怠らないようにしています。

施工を進めて行くと、現場の職人さんからも色々と意見や要望が上がってくるので、それらをまとめ設計の方と相談して進めていきます。スケジュールがタイトな時は職人さんの配置やバランスを把握することが大切です。

―経験豊富な山本さんだからこそスムーズに進むことも多そうですね。

村田さん:山本さんはベテランなので、安心して任せることができます。また、何か困ったことがあって連絡するとすぐ現場に来てくれるので、クライアントさんからも評判が良いです。

山本:私達の仕事は、建物が建つ前と同様に建った後も重要です。クライアントさんにはできるだけ安心して使っていただきたいと考えています。

―最後に、この保育園に通う子ども達には何を感じて欲しいと思いますか。

村田さん:建物に色々な工夫をして、子ども達の生涯の楽しい記憶として残るものになって欲しいですね。子どもはウソをつきませんから、楽しそうにしている姿が見られるととても嬉しいです。

山本:私も村田さんに同意です。子ども達、保育士に職員の方、保護者や地域の方、皆様に喜んでもらえるものを作りたいです。

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